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「同窓会」
「同窓会」というテレビドラマを見ました。全10話。これが民放で90年代前半に日付が変わる前に放送されていたのですね。…………(絶句)
なにがすごいって、毎回男性のシャワーシーンはあるのに、女性の裸は1回も出てきませんでした。いたしているシーンでも男女の場合は着衣。男同士の場合は素っ裸。事後のシーンでも女性は腕と首から上を出しているだけなのに、男性は上半身をさらしていました。
ちなみに、男同士のやたらにロマンチックなシーン多数あり。赤々と火の燃えている暖炉の前で素っ裸の男二人が立ったまま抱き合うシーンとか。これは暖炉の前で横たわって語り合う事後シーンつきでした。それから、森の中でうふふあはは~な追いかけっことか。夕日の海で見つめあったりとか。

主役は3人。
七月(なつき)
母親に殺されかけた過去もち。母親は心を病んで入院中で意思の疎通は図れない状態。康介と付き合っていた。本人もやや不安定。

風馬
康介を高校時代からずっと好きだった。今でも康介の写真を持ち歩いている。七月にプロポーズする。

康介
風馬の友人。当然風馬の気持ちには気がついていない。

関係者一同

高校生。彼女がいる。でも新宿2丁目デビューもしている。

唯子
嵐の姉。七月とわかれた康介と付き合い始める。


嵐の2丁目友達。

七月と風馬と康介は高校の同窓生。唯子は後輩にあたります。なので、高校の恩師やら他の同窓生やらいろいろ出てくるのですが、とりあえず割愛。このメンバーで複雑すぎる人間関係が展開されてました。



1話目からいろいろありすぎです。
冒頭で、職場にて七月がもそもそしてました。なにかと思ったら、愛の蝶(要仏訳)がいたことが判明。それまで付き合っていた康介はノープロブレムだったようなので、どこでうつったんでしょうかね。
風馬が七月にプロポーズすると、もらった指輪を質屋に持っていって値段を確認する七月。本物であると知ると本気だったんだ、と一応安心します、が。
プロポーズした後、未来の夫はずっと思い続けていた康介の写真を破いて、新宿2丁目デビューしてしまいます。嵐に出会って、ホテルに行きます。シャワーまで浴びたのに、これから結婚するんだと怖気づく風馬に嵐が迫ります。腰にタオルを巻いただけの嵐に抱きつかれて、あれこれささやかれて、風馬は陥落してました……いいのか?

その後に怒涛のように起きたこと。
七月と風馬が結婚して新婚旅行に出発。成田に嵐が追いかけてきて、男子トイレで風馬と修羅場になっていました。とにもかくにも嵐は去っていったけれど、肝心の初夜で風馬が不発。男を抱くイメージを思い浮かべながら七月を抱こうとしたのですが、、胸のふくらみに触って現実にかえったようです。結局新婚旅行中、風馬は不発のまま。

風馬が仕事で妨害にあってるので、康介と七月が助けてくれそうな人のところに行きます。相手は思いっきり怪しげな老人でした。ラブホの壁にマジックミラーを取り付けて、情事を覗き見する良いご趣味をお持ちです。覗き見につき合わされそうになって、飛び出す七月ですが、康介に説得されて、戻ります。すると、マジック・ミラーの向こうでは風馬と嵐がいちゃいちゃしてました。すごい偶然です。この後、七月は路上で吐きます。

風馬は結局嵐とまた会ってしまいます。結婚するとホテル代もままならないんだ、とかなんとか言って距離を置こうとしますが、嵐はホテル代を自力で稼ごうとします。稼ぐ方法は、新宿を歩いてるさびしい女性といたして、御代をもらう。高校生がこんなことでよいのでしょうか?
運がよいのか悪いのか、そのさびしい女性は七月でした。お互い相手が誰だか知らずに、廃工場で、着衣のまま……。

なんか、書いててくたびれてきましたが、とにかく、怒涛のように修羅場が多発してました。その間には康介が風馬の気持ちを知って、二人で箱根の別荘でハネムーン(暖炉の前で裸で抱き合うシーンあり)とか、七月が風馬の同性愛を受け入れたりとか、いい話もあったけれど。最初は不安定でヒステリックな印象だった七月がどんどん包容力のある人に成長していくあたりは、いいなぁと思いました。親に恵まれなかったので、家族にこだわる七月が切ない。逆に風馬は、七月と結婚したのは康介の友人だったからという真実をぶちまけたり、どうにもこうにもダメな感じが強まってました。

7話の冒頭では、七月・風馬・康介・唯子が集まっているところに、嵐が呼ばれてきます。風馬の妻・七月を見て、新宿の廃工場で関係をもった女性だと悟る嵐。嫉妬全開で、七月との関係を風馬にぶちまけます。ここで、嵐と風馬がいたしていたことを知った康介。おまえ俺をずっと思っていたんじゃなかったのか?浮気してたのか?箱根の別荘までいった俺の立場は?と切れます。別荘でのことはその場限りにして、後は友人でいようと言っていたはずなのに。さらに、康介と風馬が関係を持っていたことを知った唯子が切れます。連鎖反応でなにがなにやら。
この修羅場は、すごかった。嵐に七月が水をぶっかけると、嵐が「水ぶっ掛けられたぐらいじゃ驚かねぇんだよ。俺、ザーメンだって飲めるんだぜ……」と応じてました。ヒステリックにわめく唯子に七月が小娘が!と啖呵を切ったりとか。

んで、康介は2丁目でレイプされて、潮と出会います。レイプされた康介に、中で精液が下剤みたいになるから、と教える潮はいい人です。レイプ被害を打ち明けた康介に、あんたと結婚する女なんていないから!とののしる唯子はあんまりいい人じゃないです。結局、最後には潮は性転換して、ウェディングドレスを着て、康介と結婚式を挙げてました。
風馬のほうは、嵐・七月・風馬の不思議な三角関係が成立しかけます。寝室で、七月がプルーストを二人に読み聞かせしていると、二人がいちゃいちゃし始め、プルースト先生に失礼よ、読書かセックスかどちらかにしなさい、と言い聞かせているシーンがありました。嵐がセックスと答えて、七月の横で風馬と嵐はいたしていました……。これ、全国波で日付が変わる前に放送されていたのですよね……すごいなぁ90年代。でも、三角関係は続かなかったのですが。

と、あれこれ書きましたが、同性愛絡み以外にも、子供ができない夫婦の問題とか、未婚の母とか、年の差カップルとか現代社会にありうるいろいろな家族問題、恋愛問題が盛り込まれていました。同性愛シーンが目立ったけれど、それだけのドラマではなかったと思います。ただ、最後のシーンでこのドラマの伝えたかったことはわかったのですが、潮は性転換し、嵐・七月・風馬の三角関係は続きませんでした。「男同士」で普通に付き合い続ける結末がなかったことに、現実の重さを微妙に感じました。

実は、なぜか特に印象に残っているシーンは、過激なシーンではなかったりします。たとえば風馬が唯子にセクハラ発言をかますところ。七月に対して不発なくらいだから、女性に対してそんなこと思っていない、思えないのにね。女性に対してこのようにしゃべればヘテロに見えるのではないかと考えながら、セクハラ発言してるようで、なんだか切なくなりました。
by alcyon_sea | 2007-06-17 15:20 | 映画・雑誌・etc.
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