上橋菜穂子 『精霊の守り人』 新潮社
日本を思わせる東洋風ファンタジーです。文庫になったのでトライしてみました。もっと早く読んでおけばよかった、とちょっと後悔しました。NHKのBSで今、アニメをやっているそうなのですが、BSが入らないので、見られません。残念。

主人公は三十路の短槍使いの女性、バルサ。用心棒で身を立てています。ちなみに、特に美人という設定ではありません。この時点で、今まで読んできたファンタジーと違うなぁと思いました。今まで読んできたファンタジーは、洋の東西問わず主人公が少年少女が多かったので。(指輪物語は高齢ゾーンに入るかな)

バルサが、たまたま皇子チャグムが河に落ちたところに居合わせて、彼を救ったことから、物語が始まります。チャグムの母に息子が命を狙われているので助けてくれと依頼され、依頼を受けて都から脱出したら襲われて…と矢継ぎ早に事件がおきます。このあたりまでで、バルサがとてもかっこよくて、物語にひきこまれました。

この本、児童書を文庫化したそうですけれど、読むのに年齢関係ない感じがします。物語とは、10代の少年少女でも、30歳でも、あるいはもっと年が上でも、「かっこいい」人は主人公になれるし、読者もまた年齢問わず、はるか遠くの異世界と主人公の活躍に引き込まれていくものなのでしょう、きっと。当たり前のことなんだけれど、忘れていました。目が覚めたような気分です。

そして、語られるバルサの過去で、バルサは最初から今のバルサだったわけではなく、努力したり、さまざまな経験を積むうちに「かっこいい」人になったのだ、ということが明かされます。若さがすべてではないですね。確かに。いわばある程度完成したバルサと、一方で、宮殿で暮らしていて、まだなにも経験していない若いチャグム。チャグムの成長も読んでいて面白かったです。こちらは若さの可能性を感じました。

というわけで、次巻の文庫も出ていたので、今日買ってきました。電車の中で読む予定。
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by alcyon_sea | 2007-07-09 22:43 | 小説
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