アマゾン
アマゾンのイメージ。チボール・セケリの『ジャングルの少年』という児童書があって、それを読んだときに感じたイメージが深く深く刷り込まれています。残念ながら、今は絶版で、復刊ドットコムで投票が行われているみたいです。気に入って何回も読んだ本なので寂しいです。

本の内容はというと、アマゾン河で、客船が難破します。周りはジャングルです。船の修理には時間がかかります。文明から切り離されてきっつい状況です。その難破船に乗り合わせていた著者は、原住民の少年と交流を持ちます。そして、少年が食料の調達についてなにかと助けてくれるのです。パイナップル、アマゾンの魚、水の調達、火の熾し方。アルマジロの肉(だっけ?)はすごーくおいしそうで、ぜひ食べてみたいものだと子供心に思いました。あ、いや、食料以外にもピラニアの脅威とか河を流されていくジャガーの話とか他の話も面白かったです。

とにかく、次から次に食料が出てきてすごいなぁと驚いた記憶があります。そんなわけで、アマゾンのイメージは流域のジャングルが奥深くてなんでもある、というものに私の中ではなりました。

で、アマゾンの名前を冠した某オンラインショップ。最初に見たときは、取り扱いは本だけで、アマゾンの名前からするとちょっと役不足かも?と感じたのです。(アマゾンの名前の由来は流域がどうのというのではなく、アマゾン河に支流が多いからだとか検索したら出てきましたが)

ところが最近、シャンプーを切らして、二駅先の店まで行くのはめんどいしなぁと、ネットで検索したら…アマゾンにありました。あらためて見たら取り扱い品目が増えてますね。キャンプ用品、スニーカー、化粧品、冷蔵庫。なんでもある……って、いわゆる特定玩具まで取り扱ってるんですが。ちゃんと18禁扱いになってますけれど。

広辞苑や聖書が売られているのと同じノリで特定玩具が売られているのって、ちょっとシュールな気もしなくなくもなく。その一方で、そういった物の需要もつきつめれば、喉が渇いたとか本が読みたいとか山とある人間の欲求の一つに過ぎず、なんでも扱うお店はありとあらゆる人の需要なり欲求なりを満たす必要があるのだろうから、そういうものが普通にまぎれて売られていても不思議ではないなぁと思ったり。

とはいえ、高尚(とされるもの)とフケツよ!と言われかねないものが、個々のモノに付加される社会的価値観なり評価なりから切り離される形で同列に商品として売られているってどういうことなんだろうとぼんやり考えたりも…。

結論。とにかく驚いた。
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# by alcyon_sea | 2007-05-19 22:45 | 雑文
惣領冬実 『チェーザレ』3 講談社
舞台は相変わらずピサです。巻末の解説もついていて、充実しています。

読んでいて、あれ?と思ったわけ。3巻、女性が徹頭徹尾1人も出てきてませんでした。1巻は下宿のおばちゃん、2巻は街に出ていたので通行人の女性くらいはいたはず。3巻はそれすらいなかったです。出てくるのは学生と聖職者ばかり。帯にルクレツィアと思しき、金髪の女性がいたのですけれど、登場は次巻以降みたいです。

というわけで、男だけの世界でミゲルとチェーザレが色気を振りまいてました。特にチェーザレ。フランス人のアンリ相手に闘牛の真似事をしていました。文化論も説きつつ、相手をこてんぱにして、やたらにかっこいいです。これではアンジェロが惹かれるのも無理はない。

チェーザレとマキァヴェッリとの出会いや、チェーザレを狙う刺客が紛れ込んでるらしいとか、色々あるのですが、記憶に残ったのは、ミゲルの「俺に命令できるのはただ一人、チェーザレ・ボルジアだけだ」、という言葉でした。ミゲル×チェーザレか、チェーザレ×ミゲルか、なんにせよ主従モノは萌えますな。…ミゲルは戦場での傷が元で不能になったとかいう話をどっかで読んだことがあるのですが、まだ不能になっていないみたいね…。

3巻の最後では、チェーザレの腹黒な面がもろに出てきて、先行き不穏な感じです。純真なアンジェロは幻滅するのだろうか、怒りを覚えるのだろうか、それとも悲しむのか。
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# by alcyon_sea | 2007-05-12 21:48 | コミック
「白蛇抄」
ギャオで見てしまいました。いろいろな意味で絶句。すごい出来事が連続して起きているのに、共感も驚愕もなかったことにまず驚いた…。起きすぎて、感性が麻痺してしまっていたのかもしれないけれど。

結論からいうと、小柳ルミ子のくねる肉体が最大の見せ場かと。お湯が白い体を流れるところとか、長襦袢ごしに白い体が透けて見えたりとか、色々凝っています。それ以外はなんだかよくわかりません。ヒロインの不幸な出生や、過去話は出てくるものの、それがどう現在とつながってくるのかいまいちわかりません。女子中学生は、父親の情事を覗きながら自分の体を触ってくる男子高校生に、なぜか恋をします。全員の行動と思考が私の理解を超えていました。(正直、出てくる男3人は典型的なストーカー男とDV男なので、その手の教材に使えそうだと思った)

無駄に長いネタバレメモ
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# by alcyon_sea | 2007-05-04 23:30 | 映画・雑誌・etc.
佐藤賢一 『王妃の離婚』 集英社
直木賞受賞作品、に納得。面白かったです。この作者らしく、中世フランスの親族法や裁判の様子も詳しくて、楽しかったです。カルチェラタンの活気は、以前読んだ同じ作者の『カルチェラタン』を思い出しました。

内容
舞台は1498年フランス。国王ルイ12世は王妃ジャンヌに対して離婚裁判を起こします。裁判で、王は王妃に身体的欠陥があって普通の結婚生活ができないから別れるのだと主張しています。

しかし、これは建前で王妃は前王の娘。前王は死んだし、べつに美人ではなし、気が合うわけでなし、早く別れてもっと領地をいっぱい持っているお金持ちの後家さんと結婚したいというのが王の本音。有力な味方のいない王妃は、孤立無援の戦いを強いられています。そんな王妃の弁護に立ち上がったのが、かつてパリ大学で秀才の誉れ高かったフランソワ。わけあって今は、しがない田舎弁護士です。

裁判が進むにつれて、フランソワの過去が明らかになっていきます。フランソワが都落ちした原因は、王妃の父である前王にありました。前の王様も結婚問題でいろいろやってしまっていて、フランソワはそれとは知らずにつきとめてしまったために、王の怒りを買って都落ちする羽目になったのでした。



いわば敵の娘の弁護をするフランソワ。さらにフランソワの過去の女性や、その女性の弟とのいざこざも登場してきます。中世フランスにふさわしく、アベラールとエロイーズの物語が下敷きになっていました。

アベラール、昔読んだ子供向けの本では自分の信条を貫いて挫折した信念の人のイメージだったのですが、この本だと結構情けないダメ男でした。これは、女性の親族にやられても、同情はできないというか、いやそれでも気の毒ではあるのだけれど(ごにょごにょ)ちょっと見方が変わりました。

離婚裁判の闘いの物語であると同時に、フランソワや王妃の過去との和解の物語でもありました。舞台は中世ではあるけれど、過去との葛藤やもつれた男女の感情は現代にも通じるところがあり、特殊性と普遍性がいい感じで混在している気がしました。それに最後の終わり方がとてもさわやかで、良かったです。
……現実にはなかなかこう綺麗にはいかないと思いますがね。(ぼそっ)
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# by alcyon_sea | 2007-04-25 20:56 | 小説
日本語訳の予定は?
アメリカヤフーの記事で偶然発見

指輪物語の6000年前のお話だそうで。

日本アマゾンでも取り扱ってました。

The Children of Hurin
J. R. R. Tolkien / / Houghton Mifflin (T)
ISBN : 0618894640




フーリンの息子トゥーリンの話。シルマリルにも出てきた物語だったはず、確か。アラゴルンの遠い祖先でもあるフーリンがサウロンの親分だったモルゴスに捕らえられます。そして、その子供たちはのろいにかけられます。子供たちが破滅していく様をフーリンはモルゴスによって身動きできない状態にされたまま、ただ見ているしかない、という話…だったはず。

……トゥーリンとエルフのベレグは私の頭の中ではできていることになっているので、ぜひ読みたいです。シルマリルのこの二人の箇所は萌えて萌えて大変でした。まぁ、友情だっていう説もありますけどね。(←そっちのほうが通説です)

映画の成功をもってしても"The History of Middle-earth"シリーズは翻訳されていないので、どうなることやら。もっとも『終わらざりし物語』は翻訳されたので、ぜひ。"The History of Middle-earth"1巻を図書館で借りてきて頭が真っ白になった私は、この本を原書で読むのはまずもって不可能ですので。
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# by alcyon_sea | 2007-04-18 20:42 | 雑文