シュテファン・ツヴァイク 『マリー・アントワネット』上 岩波書店
シュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』を電車の中でちまちま読んでました。上巻を読み終わったところですが、面白いです。ベルバラの元ネタになったと言われるだけのことはある?確かに人物造形がベルバラとそっくりでした。

まぁ、色々誇張して書かれていると思われるので、どこまでが事実どおりなのかはわかりませんが。この本に書かれていたオーストラリアから、フランス側に引き渡されるとき、下着まで替えられたというのは、事実に反するとどこかで読んだ記憶がありますし。

事実云々はともかくとしても、歴史上の人物が、等身大の女性として生き生きと描かれていて、面白かったです。お金持ちで家柄が良くて、頭は悪くはなく、人柄も悪くなく、但し努力が嫌いで遊び好き、加えて浪費家。当時もこんな女性は何人かいたと思うし、今でもいるのでしょう。ただ、マリー・アントワネットの場合、運良くあるいは悪くフランス王妃だったというだけで。行状の改まらない娘にウィーンの女帝が送った手紙の数々、兄の皇帝がパリに来たとき、去り際に残していった書状が、涙を誘います…。

宮廷の様子やトリアノン宮殿の様子も細かく書かれているので、セレブな生活ぶりも堪能できました。朝、起きると、係りの者が衣装のミニチュアを貼り付けた本を持ってきて、それを見て、その日の衣装を決めたそうな。そういえば、今、マリー・アントワネットの映画をやってますね。衣装にとてもお金をかけたそうで、一番高いドレスは1000万円かかったとか、新聞に載ってました。映画館に行けたらいいなぁ。

上巻の最後にようやくフェルセンが登場。それまでと打って変わってロマンチックな展開になっています。それまでは、結婚当初、夫が7年間不能で、アントワネットがそれがために、欲求不満爆発で遊び暮らしていた、というような、身もフタもない話くらいしかありませんでした。ツヴァイクは、7年間、身体をいじられるだけで、最終的な満足が与えられなかったためにアントワネットはあんなふうになってしまったと分析してますが…なかなかえぐい見解です。下巻はアントワネットの転落人生が語られると思うので、それとフェルセンがどうからむのか楽しみです。
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by alcyon_sea | 2007-01-19 22:01 | 小説
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