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グーグル
某公共放送のスペシャル番組、グーグル革命を見ました。検索エンジンが社会や生活に与える影響を多角的に捉えていて、非常に興味深かったです。検索上位に表示されることで、売り上げが変わってきた会社・病院とか、逆にグーグルからいきなり削除されて業績が左前になった会社とか。それから、グーグル社内の様子。求人広告の出し方。さらには中国でのグーグルによる検索制限。

去年、ほんの少しだけとある小さな事務所に居候させていただいたときのことを思い出しました。事務所は、業者にお金を払って検索エンジン対策をし、グーグルから関連単語を買って広告を出していました。色々見せていただいて、すごいなぁと思ったものです。

実際効果はあったそうです。今までずっとやってきた電話帳の広告では人はあんまり来ないし、来てもあまり大口の仕事ではないけれど、ネット経由ではかなり大口がいくつか来たとのことでした。従来、あまり広告と関係ない業種と思われているところだったのですが、やはり時代の波は確実に押し寄せているのだな、と肌で感じました。

で、ビジネスに与える影響、という点では確かに影響を与えているのでしょうけれど、世界中の全ての情報を集めるというグーグルの野望はどうなのでしょうね。こういうブログを書いてる私がいうのもなんですが、検索すると、情報によっては、似たような内容の個人のブログやサイトがたくさんヒットして、本当に必要な情報にたどり着けない(あるいはそんなものは存在しない)という事態にぶちあたることもあります。個人のそういったサイトが悪いというわけではないのですが、情報の信頼性という点では、やはり…です。(参考資料としては出せない)また、非常に有益なデータベースは有料だったり。

ちょっとでも専門的なことになると、精度の高い情報にたどり着くのが大変(あるいは不可能)というのがネットかなぁと感じることもあります。大体、著作権の問題もあるので、紙媒体のものを、たとえ有料にするとしても、そう簡単にネットに上げられません。ただし、政府関係は色々、アップされるのでこれはありがたいです。

もちろん、地図とか、電車の乗り換え案内とか、とても役に立っていることも多いので、ネットによる情報発信が有益であることは間違いないと思います。私も日々恩恵を被っています。しかし、ネット上に全ての情報があるのかどうかはそもそも、わからないです。延々と個人の似たような内容のサイトがヒットすると、ネットとは海面のごく表層のみがどこまでも続いていて、その下の深みは出てきにくいところかもと感じるときもあります。で、怖いのはネットによる情報が全てだと錯覚して、深みがあることにすら気づかなくなること…

と、ぐでぐで考えたのですが、金払って検索上位になって情報をより有利に発信できるといっても、今までも企業はお金を払ってネット以外の媒体で情報を発信していたわけで。資本のある方が情報発信に有利という構図はあまり変わってないのかも。それに深みといいましたが、従来のメディアだって決して深みをとらえているとは限らなかったわけで。しかも、納豆がどうのこうのでわかるように、精度も高いとも限らないわけで。

結局、場所や手段は変わっても、人の営みは大して変わらないという結論になりそう?ビジネスはともかく、生活に革命といえるほどのことが起きるかは、どうなのでしょうね。……私みたいな思考回路の人間ばっかりだと、緩慢に文明が衰退していくような気がしました。
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by alcyon_sea | 2007-01-21 23:53 | 雑文
シュテファン・ツヴァイク 『マリー・アントワネット』上 岩波書店
シュテファン・ツヴァイクの『マリー・アントワネット』を電車の中でちまちま読んでました。上巻を読み終わったところですが、面白いです。ベルバラの元ネタになったと言われるだけのことはある?確かに人物造形がベルバラとそっくりでした。

まぁ、色々誇張して書かれていると思われるので、どこまでが事実どおりなのかはわかりませんが。この本に書かれていたオーストラリアから、フランス側に引き渡されるとき、下着まで替えられたというのは、事実に反するとどこかで読んだ記憶がありますし。

事実云々はともかくとしても、歴史上の人物が、等身大の女性として生き生きと描かれていて、面白かったです。お金持ちで家柄が良くて、頭は悪くはなく、人柄も悪くなく、但し努力が嫌いで遊び好き、加えて浪費家。当時もこんな女性は何人かいたと思うし、今でもいるのでしょう。ただ、マリー・アントワネットの場合、運良くあるいは悪くフランス王妃だったというだけで。行状の改まらない娘にウィーンの女帝が送った手紙の数々、兄の皇帝がパリに来たとき、去り際に残していった書状が、涙を誘います…。

宮廷の様子やトリアノン宮殿の様子も細かく書かれているので、セレブな生活ぶりも堪能できました。朝、起きると、係りの者が衣装のミニチュアを貼り付けた本を持ってきて、それを見て、その日の衣装を決めたそうな。そういえば、今、マリー・アントワネットの映画をやってますね。衣装にとてもお金をかけたそうで、一番高いドレスは1000万円かかったとか、新聞に載ってました。映画館に行けたらいいなぁ。

上巻の最後にようやくフェルセンが登場。それまでと打って変わってロマンチックな展開になっています。それまでは、結婚当初、夫が7年間不能で、アントワネットがそれがために、欲求不満爆発で遊び暮らしていた、というような、身もフタもない話くらいしかありませんでした。ツヴァイクは、7年間、身体をいじられるだけで、最終的な満足が与えられなかったためにアントワネットはあんなふうになってしまったと分析してますが…なかなかえぐい見解です。下巻はアントワネットの転落人生が語られると思うので、それとフェルセンがどうからむのか楽しみです。
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by alcyon_sea | 2007-01-19 22:01 | 小説